1989(平成元)年に酒造りを止めましたが、2009(同21)年より野中保斉蔵元自らが杜氏となり造りを再開。20年間のブランクを経て醸し出された酒は、芳醇な正統的な旨口スタイルで評判を呼びました。以後も張りのある旨味の効いた伸びやかな酒質で、佐賀の酒、また九州らしい酒としてのアイデンティティを保ちながら人気となっています。最近は生酛やスパークリング、黒麹を用いた「Black」、白麹による「White」タイプなど製法の幅を広げており、復活後まだ間もない蔵とは思えないような安定感に加え、積極的なチャレンジを行なうことで愛飲家を喜ばせています。 しかしながら2019(令和元)年)8月佐賀を襲った豪雨災害で蔵が被災し、麹室が水没するなど大きな被害を受けました。県内外の酒蔵の支援をうけたほか、クラウドファンディングによる限定酒の販売など、この苦難を乗り越えて同年の酒造りを終えました。復活して10年の節目を経て、酒質にはまた一段と磨きがかかってきているようです。(松崎晴雄)
東鶴のクチコミ・評価
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東鶴の酒蔵情報
名称 | 東鶴酒造 |
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特徴 | 佐賀県の中央に位置する多久町。孔子を祀る国の重要文化財”多久聖廟”があることから孔子の里とも呼ばれる町である。この多久町に唯一蔵を構えるのが東鶴酒造(あずまつるしゅぞう)。江戸時代後期の1830(天保元)年創業という老舗蔵で、長年地元の人々に愛飲されてきたが、日本酒の需要低迷のあおりを受け1989(平成元)年より休造。しかし、先代当主の長男で現6代目当主の野中保斉氏が、酒蔵を継ぐ気ではなかったところ知人の紹介で飲んだ日本酒に感銘を受けたことで酒蔵を復活させることに。永山本家酒造場(山口県)での修業を経て、2009(平成21)年に蔵元杜氏として20年ぶりの酒蔵復活に至る。今まで10メートルの深さだった井戸を100メートルの深さまで掘り下げるなど品質向上の為の大改革を敢行。古くからの造りは極力変えず、木の甑での米蒸し、箱製麹、酒袋を使用するしぼりなど、酒造りの現代化が進む中であえて昔ながらの手作業で醸すこだわりを大切にしている。ユニークなラベルデザインや、日本酒では珍しい「白麹」や「黒麹」を使用した酒など、積極的に新しい取り組みも行う姿勢は業界からの注目度も高い。 |
酒蔵 イラスト |
(山本浩司氏撮影+加藤忠一氏描画) |
銘柄 | 東鶴 結晴 |
HP | 酒蔵ホームページはこちら |
所在地 | 佐賀県多久市東多久町大字別府3625 |
地図 |
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