夢窓 特別純米酒 生原酒 0.72
製造 2024年3月 開栓 6月9日
美し(うまし)国を呑む⑩
松阪駅南口から2キロ程の新良(にら)酒造さん。
その生産量は「日本一小さな酒蔵」を遥かに下回る。
いわゆる熟成香とは一線を引く柔らかな香り。
バナナ、レーズン、ミルクチョコ、
重厚だが同時に漂う透明感。
控えめな甘味に苦味と渋味を添えて、
エグ味の全く無い丸ーくまろやかな含み。
ただ米の旨味が凝縮されている。
スーと抵抗なくと流れ込み、ほわーと消えゆく。
上質なミルクココアの余韻には少し薬膳も。
18度生原酒は濃醇で飲みごたえ十分。
オンザロック、ソーダ割りにも崩れず、
加水燗にしても旨味をしっかり保ちながら
やはりここでも漂う不思議な透明感。
似た味わいのお酒として
浅間嶽の普通酒無濾過生原酒が浮かぶが、
信州きっての硬水蔵はミネラル爆発。
布引山系伏流水の軟水仕込みの夢窓は
しなやかな腰の強さを感じます。
特約店にて 税込1,650円
7月7日、東京での「旨し酒三重 2024」
新良酒造さんも出店のようです。
おそらく好き嫌いがはっきり分かれるであろう
孤高のお酒です。