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2021
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wajoryoshu さん
満足度 4.5
嘉山 純米吟醸 無濾過生原酒 越淡麗55%
バブルのころ、越乃寒梅が幻の酒であったことくらいは、まったく日本酒に興味のなかった者でも記憶している。その越乃寒梅を筆頭に、峰乃白梅、雪中梅の3つの梅で「越の三梅」と呼ばれていたそうな。久保田や八海山を代表にすっかり淡麗辛口で有名になった新潟酒はあまり得意な分野ではないが、さすが奥の深い日本酒王国だけにそうした人向けの芳醇旨口の酒もある。
そこでアンチ淡麗辛口のための「新・越の三梅」として、今まで呑んだ中から菱湖(峰乃白梅)、美守(雪中梅)、嘉山(越乃梅里)をラインナップしたかったのだが、あらためて確認してみると、菱湖、美守と思いのほか盛り上がらず、美守はけっこうな辛口に。まったく我ながら呑みの記憶なんてアテにならないものだ(だからこそのSAKE TIME備忘録なんだが)。
そして数年前の個人的ベストオブザイヤーの嘉山が最後の砦。現在は大手資本になってしまったが、当時の小黒蔵元が小山商店・小山社長のレベルの高いリクエストに応える形で開発した起死回生の逸品「嘉山」。以前はHPでも小黒氏の開発秘話が動画で紹介されており、朴訥な語り口の中にも開発に対する情熱と執念が感じられる非常に素晴らしい動画だった。それも今では削除されてしまったが、この渾身の酒がなくなってないのがせめてもの救い。
まずは華やかな香りがあり、口に含むと上品な甘が、そしてそれを支えるように酸を感じ、そしてそれらがうまくバランスして、喉越し軽くキレがよい、そんな酒を目指したと小黒氏は語っていたはず。ホントあの動画が忘れられない。そしてまさにその通りの酒が引き継がれている。上立香は甘と苦を感じる、表現に苦しむが何かしらのボタニカルな個性的で華やかな香り、甘先行からの酸が追っつけのバランス型、そして喉越し綺麗であれだけ甘が主張したのにキレもいい。
とにかく旨い!!!特定名称 純米吟醸
原料米 越淡麗
酒の種類 無濾過生原酒
テイスト ボディ:普通 甘辛:甘い+1
嘉山 (新潟 / DHC酒造)