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2022
4/16
凹燮轡洒劃驍 さん
満足度 5.0
國香 吟醸 雅のしずく
こいつぁスゲェ!
入口で「おっ!?甘・・・」と思わせておいて、甘さが!ない!
立派な門があって、その先にはさぞ立派な邸宅があるのだろうと誰しも思い込んでいるのに、実際には無い、そんなギャップである。
この酒は飲んでいるうちに旨くなる、少し回って来てからが旨い、それなりに旨味がある、という正真正銘のダラダラ飲む呑兵衛に適した最高の酒質を持つ。呑兵衛の諸君、断言しよう、コイツは最高だ。
酢イソ大優性でありつつ、いわゆる穏やかな香りの範囲。口に含むと甘さが来そうで、来ない。入口の「吟醸でーす」みたいな構造物(フォーマット)の輪郭のみをはっきり残しつつ、なんとそのままエンディングである。とは言っても、キレッキレみたいな感じではなく、同蔵の特別純米酒と同様に、キレていくプロセスを感じられるだけの時間が確保されている。
勢いよくスパっと切られた方が、人間としても痛くない。しかし、この酒は時間を掛けつつ切っているのに、痛くない。
総括すると、ビックリするほどに穏やかなのに、点々を一つ一つ見ていくと、実は自己主張が激しいといった印象。一瞬意味が分からないのだが、とにかくどの点においても譲らない感じ。
タンレイカラクチの呪縛をキモチエエと思えるような、昨今のジューシィでは物足りないと感じるような、いにしえの酒を好む方々におすすめしたい。そして、本物の、とか真の、といったような枕詞に惹かれる厨二病なアナタにもおすすめする。「これがそうです。」テイスト ボディ:重い+1 甘辛:辛い+1
国香 (静岡 / 国香酒造)