りこぴんさん(2024年7月8日)の日本酒「三河武士」レビュー

控えめながら青いバナナのような香り。
口当たりは程よい甘味と酸味。中盤からはじんわり旨味。味は移り変わるというより、徐々に足されて濃くなるイメージです。
余韻は長めで、僅かに渋さもあり、滋味を感じます。
サッパリ軽い飲み口なのに醇酒のような重みもあり、なんとも不思議な味わい。

この蔵の有名ブランド「二兎」の名は、相反する風味の両立といった意味があるそうです。
それゆえか、こちらのお酒も重いような軽いような、中道ではなく両端を押さえたい意思があるように思えました。

さて、本ブランドは地域密着性を重視しているようですが、実際、八丁味噌仕立てのこってりした煮込み料理や、ヤマサちくわなど、三河の食べ物によく合います。
こちらや二兎を飲む限りでは、丸石醸造さんはコンセプトづくりとその再現が非常に上手いと感じます。

他のブランドは一体どんな味なのか、好奇心をくすぐられます。