ぐらんてぃふぉんさん(2025年3月4日)の日本酒「俳聖芭蕉」レビュー

俳聖芭蕉　純米吟醸　0.72
製造　2025年1月　開栓　2月24日

美し(うまし)国を呑む㉚

伊賀市市街地から北東へ、
旧伊賀町御代(みだい)の橋本酒造場さん。
ご夫婦で酒造りされている小さな蔵です。

火入れは初夏から順次発売なので
こちらは１年近くの熟成もの。
薄く山吹色、少し熟成した香り、
熟したメロン、焼きバナナに焼き林檎、漬物、
穏やかで重くはない。

控えめな果実の甘味は含むうちに明確に、
程なく奥から苦味が漂いそっと入れ替わる。
軽快細身でクラシカルな部類だが、
平板ではなく旨味も感じて奥深い。

のど越しで一瞬の苦味と渋味、
甘旨に転じ心地よい余韻は細く。

熱燗でツーンと突き上がり
酒呑んでるぞ感満載で嬉しい。
ぬるまで下げて苦味収まり穏やか甘旨、
辛味キリッとなかなかよろし。

蔵元こだわりと聞く秋田流花酵母AK-1。
協会1501酵母は吟醸ブームの頃の花形。
本家秋田でも一部の蔵で細々と‥‥が
三重県の山の中で生きています。
当時はもっと華やかだった記憶だが、
現代基準では随分と穏やかに感じます。
甘旨ピチに慣らされてきたのかな。

蔵にて　税込1,650円