白冨士 SHIRA HUJI
東日本大震災で10年以上音信不通だった双葉町の酒蔵がアメリカのシアトルで日本酒を醸していた。何かの縁で双葉町の地でファーストビンテージを飲む幸運に恵まれた。
熱燗で頂いた。まず香りが鼻腔をくすぐる。もち米のような、なんとも独特な香り。柔らかくて、ふくよかな味わいが口に広がる。キレも良い。なにか込み上げて来るものを感じた。
原発事故、コロナ禍、大いなる困難に直面しながら、異国の地で不屈の意志で醸されたお酒。アーカンソー州の山田錦を使い、ミネソタ州のラーメン屋さんが精米。ワインを造っていた醸造所とのことでワイン酵母が紛れこんでいるかもしれないという。
ストーリー関係なく、海外の米と水を使っているにもかかわらず、日本の人気の日本酒に負けない、そして今までなかったような味わいを持った、本当に美味しい日本酒でした。