政令指定都市である堺市は、江戸時代上方を代表する酒どころであった。当時「摂泉十二郷」と称し、江戸に向け盛んに出荷されていた12の産地が指定されていたが、灘五郷の一部である今津、西宮や古くからの銘醸地・池田、伊丹など摂津が11ヵ所であったのに対し、和泉は堺の1ヵ所のみ。それだけ和泉国の中では堺が抜きんでた存在であったといえるだろう。この状況は明治以降も続き、大正時代に入るまで酒造業は堺市の製造業の中で、一番の出荷額を上げていたという。しかしながら 昭和46年(1971年)最後に残った酒蔵が灘に移ってからは、堺市内で操業する清酒メーカーはなくなってしまった。以後市内の政財界の関係者などから“いにしえの銘醸地”の復活を願う声が上がり、2014年新たに誕生したのがこの酒蔵である。 酒蔵は小規模なクラフト・スタイルで南海線・堺駅の近くにある。茶の湯を極めた千利休はもとは堺の商家の出身で、街を治めていたのも商人たちによる自治組織で、昔から堺には京都や大阪とは異なり、自由都市として栄えてきたいきさつがある。現代に新しく酒蔵を創ろうというエネルギーも、少なからずその気風が影響している。(松崎晴雄)
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千利休の酒蔵情報
名称 | 有限会社利休蔵 |
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酒蔵 イラスト |
(山本浩司氏撮影+加藤忠一氏描画) |
銘柄 | 千利休 左海 |
HP | 酒蔵ホームページはこちら |
所在地 | 大阪府堺市堺区甲斐町西3丁3-4 |
地図 |
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