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2024
5/16
ぐらんてぃふぉん さん
満足度 4.0
ふきい 純米吟醸 0.72
製造 2023年12月 開栓 5月12日
美し(うまし)国を呑む⑧
「噴井」だけどラベルは「ふきい」、
昔は漢字だった記憶だが、正しく読めるよう
平仮名表記に変えてみたんだそうです。
噴井とは夏の季語で、水が噴出する井戸。
四日市の石川酒造さんの仕込み水は正に、
鈴鹿山脈の伏流水が自噴する超軟水。
デザイン瓶で出る桜、花火、紅葉の季節酒は
ついつい集めたくなる楽しさ。
「細女」の伊藤酒造さんはご近所さん。
華やかな吟香は無く、極めて控えめな開栓。
超軟水だが、微かなミネラル感が奥深い。
和糖の甘味を僅かな苦味で調和している。
酸味を抑えた起伏のない含みはサラリと
薄く感じるが、留めるうちに辛味がじんわり。
全くの刺激無く優しく流れ込むのど越し、
ほろ苦い余韻が緩やかに収束し、さっぱり。
全体を通す苦旨味が上品で奥深く印象的。
おそらく好みの分かれるところだが、
飲み飽きない日常酒で、私は好きですね。
お燗は甘苦旨の海を漂う(ただ酔う)ようで、
「あーごくらくごくらく」
蔵にて 税込1,540円噴井 (三重 / 石川酒造)