eight knot〈エイトノット〉白練&藤黄。
2本まとめてレビュー。かなーーり長文です^^;
日下杜氏が日下無双ごと天吹に移籍されたあと、村重酒造に残った若い蔵人達が稀少な協会8号酵母を使って新しい日本酒を造るというチャレンジです。長らく協会からの配布も停止されていた酵母ですが、近年ごく少数の蔵では復活しているそうです。今回は速醸と生酛で造り分けをされていて「白練」が速醸、「藤黄」が生酛造り。どちらも酒米は西都の雫で70%精米。クラファンでの特別頒布。
口開けの感想。
<白練>
注いでみるとごく僅かな濁り。香りは強くないものの、あえて表現するなら苺。含むと独特の芳ばしさがあります。どこか仁丹のような苦味。どちらかと言うとやや辛口。軽めの酸も効いていて、スッキリ軽快に飲めるタイプ。
<藤黄>
グラスを並べてみるとこちらの方が少し黄色い。濁りはなし。上立ち香はほとんど違いを感じない。含んでみると僅かに瀞み。速醸に感じた苦味はなく、速醸に比べてやや甘味を感じる。軽い酸があるのは共通していて、こちらは少し乳酸っぽい酸。時間による変化が大きく、ほんの30分くらいの間にも円やかになっていくのが感じられる。
少し空いて6日目。
<白練>
苺の香りはライチっぽくなり、酸の主張が増して、よりキレるタイプに変化。ピリ辛キュウリに合う。単体では少し酸がしつこく感じた。
<藤黄>
すっかり円くなってる。こんなに差が出る?というくらい速醸と違う。軽い熟成と乳酸を感じるコクのある旨味。食事全般、何にでも合う。
今回の2本は酒母の扱い以外は全て同じなだけあって、速醸と生酛の違いだけがくっきり浮かび上がりました^ ^ お手本通りというか、一般的に言われている特徴がそのまますぎて、飲んでて思わず笑ってしまうほど素直なお酒。若い蔵人たちが熱心に造る姿を想像してしまいました^ ^ 生酛が特に良かったのと諸々合わせて星は4.0にします。
数年前の日下杜氏のインタビューがネットに残っていましたが、若干28歳で杜氏になった経歴の持ち主である日下氏は「早く引退したい」と語られていました。「自分が全盛期のうちに伝統を継がせたい」「若い蔵人たちに早く順番を回したい」とも。村重酒造の若き蔵人たちはちゃんと頑張ってますね^ ^ 移籍の経緯は知りませんが、きっと円満退社だったんじゃないかと思います。
特定名称
純米
原料米
西都の雫
酒の種類
一回火入れ