寛文5年(1665年)清酒醸造からスタートし、味噌、醤油をはじめとする各種調味料の生産を手掛ける、中京地区を代表する食品会社。食品のブランドは社名と同じ「盛田」で展開し、製造部門以外にも販売関連会社も多い。その1つである「ジャパン・フード&リカー・アライアンス」の傘下には複数の清酒蔵、焼酎蔵がある。 有名なのは「ソニー」の創業者の1人、故・盛田昭夫氏の生家であること。同氏は実家の酒を紹介するために東京・銀座に日本料理店「ねのひ寮」を開き、この店に集う各界の著名人が「ねのひ」の名を全国に広めたといわれる。現在は名古屋地区で「蔵人厨ねのひ」を営業している。 「ねのひ」は十二支の最初「子」の日であり、正月はじめを指すめでたい銘柄である。味わいはたまり醤油や八丁味噌等で知られる、愛知県や中京地方固有の濃厚な味付けにマッチする旨口型を標榜。創業地である知多半島常滑に、古い味噌蔵を改築した見学施設「盛田味の館」がある。(松崎晴雄)