あべ THE SAZANAMI
熟していないメロンのような香り。軽やかで飲みやすい。これはすぐ無くなっちゃうヤツ。
3年ぶりのリリースらしい。米が溶けやすい年のみ醸すというところに蔵元のこだわりを感じさせます。
〈 個人的な雑感・長文〉
『新政』と比べると、その地域の米や水を使いそこでしかできないお酒を造ろうという、いわゆる「テロワール」の考え方や低アル路線で飲みやすく食事にも合う…阿部酒造の言葉を借りれば「リストランテの最初から最後まで」といスタンスは共通しているが『新政』はもはや、日本酒という枠から逸脱しているのに比べると『あべ』はあくまで、日本酒という枠の中で新しい形を模索しているという印象を受けた。
阿部酒造のHPをみると「造りの方針」として「米の味をしっかりと出すこと」を挙げられている。
一方で、新政酒造の佐藤祐輔さんはブログで「米の旨味を引き出した食中酒」というフレーズに対して「そもそも米の旨味ってなんだろうか? はっきりと知覚できる味わいに変化したものが旨みの主体だとすれば 甘酒が一番米の旨みがでていることになります」と疑問を呈している。
短いスパンで『新政』と『あべ』を飲ませて頂いたが、その辺の思想の違いというものが、お酒の味に出ているような気がしました。