開運 吟醸
この酒は、昨今になって味わいが変わったのだろうか、変わらないのだろうか。正直なところ、分からない。
とにかく一昔前、この酒が私にとって、ゴールみたいなものだったのを思い出す。先日の國香で感じたようなタンレイ具合、甘さは奥に控え、香りも穏やかで、ツマミを選ばない優等生であった。
しかし、今回飲んだコレはちょっと違う気がする。いや、変わったのは自分なのかもしれない。だから開運さんに云々するわけではない。あくまでも、今の私がこう感じました、という報告である。
香りはメロン様の静岡吟醸にある系統の香り。口に含むと、最初に甘味がやってくる。以前の記憶では、このような甘味はもっと控えめであった。なんなら、冷蔵庫から出し立てだと、感じないほどであった。そして苦味がちょっと顔を出し、すぐにスパっとキレて、当時は美しさを感じていた。
しかし、今回冷蔵庫から出してすぐだけど、妙に甘いのである。あるぇ?となってしまう。もちろん、使用米のコンディションや銘柄が毎年異なったりして、バラつきがあるのは承知している。もしかしたらこれは誤差の範囲なのかもしれない。
だが、開運という磯自慢と並ぶ静岡吟醸のトップブランドであるから、期待を込めて、少々高くても買った。何度も言うが、もちろん自分のコンディションの問題かもしれない。だから責めることは出来ない。ただのグチだと思って頂きたい。
私自身、少々困惑している。私が変化したのか、蔵が変化したのか、あるいは両方か。
美味いよ、だから4点。でも本当は、5点のはずだと思って買って来た。とにかく、来年もう一回買ってみようと思う。今までと違って、このサイトが備忘録になっている。今時点での素直な感想が残る。来年読み返して、もっとしっかりしたレビューを投稿しようと思う。