♪恨みっこなしで 別れましょうね
さらりと水に すべて流して
心配しないで 一人っきりは
子どものころから 慣れているもの♪
宮本浩次の『二人でお酒を』のカバーを聴いていて、なんて今の自分にぴったりなんだろう、と思った。
ずっとこの歌詞と同じことを言ってるんだけど、なかなかそんなカッコよくはいかない。恨んではいないけれど、恨むような状況になる前に「なかったこと」にしたい。
そのために、自分の中で期限を決めて、約束してしまった「やりたいことリスト」を一つずつ潰していっている。
その日も2つほどリストの項目をこなして、思い出リストに移し替える。いいお酒を飲んで、ぬくぬくして、気持ちよかったな。
飲む約束をしたお酒リストも、一つずつ消していく。この日は「町田酒造 五百万石 にごり」を開ける。
しゅわしゅわ、ぷちぷち、甘くてうまい。甘過ぎないから、最初の一杯だけでなく、食中に織り交ぜてもいい。
牡蠣を入れたお出汁の湯豆腐に、スダチをしぼったものを出す。あったかい。季節のおいしいものと、その時期のできたてのお酒を飲み続けて一年以上。
「町田酒造 にごり」を約束リストから、思い出のお酒リストに移動。これで大丈夫。
あっという間に空になった四合びんのように、さらりと水に流したい。そうしなければ、会った後の淋しさで私は壊れてしまう。
帰り道、寒さに身を縮めながら耳に突っ込んだイヤホンから、また宮もっさんの声が流れてくる。
♪どちらか急に 淋しくなったら
二人でお酒を 飲みましょうね
飲みましょうね♪
会ってすぐに淋しい私と、会えないと子どもみたいに淋しがる相手と。
この歌の通りなら、二人でお酒を飲み続けてしまう未来しか見えない。
そういや、こんな話をしたっけ。
「立春朝搾り、予約したら教えて。別の酒蔵のを予約するから飲み比べよう」
一つ消したのに、二つ増えている。
ダメじゃん。
特定名称
純米吟醸
原料米
五百万石
酒の種類
生酒
テイスト
ボディ:軽い+1 甘辛:甘い+1