1871年創業の宝剣(ほうけん)酒造が醸す代表銘柄「宝剣(寳劔)」。広島県呉市にある蔵の敷地内には、瀬戸内海国立公園に指定される野呂山からの伏流水が湧きでており、天然の濾過水を仕込みに使用する。酒造りをリードするのは、蔵元杜氏の土井鉄也氏だ。20代の若さで酒造組合主催の「全国利き酒選手権」でチャンピオンになった経歴をもち、「広島に宝剣あり。土井鉄也あり」と称されるほどの実力者だ。「宝剣」がめざすのは、どんな料理にもある究極の食中酒。「八反錦」をはじめとする広島県産の酒米を中心に、一本一本丁寧に醸す。瓶詰めした状態で、全商品を0℃で貯蔵熟成することでなめらかな味わいに仕上がる。「SAKE COMPETTION 2023」でGOLDを受賞した「宝剣 純米酒」は、純米酒や純米吟醸酒をしぼる際に最後にでてくる攻めの部分をブレンドすることで、旨みと甘味、キレのバランスが整った食中酒にぴったりの1本だ。
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宝剣の酒蔵情報
名称 | 宝剣酒造 |
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特徴 | 1872(明治5)年創業の「宝剣」を醸す酒蔵。土井忠明社長の長男である5代目・土井鉄也氏――通称“ドイテツ”。地元でヤンチャをしていた頃、パンチパーマで酒の配達を手伝っていたという彼が21歳の時、父が病に倒れて酒蔵を継承することに。「宝剣まずいけん」と広島弁で揶揄されている現状を知り奮い立ち、独学で酒造りをした。 2004(平成16)年、全国利き酒選手権での優勝をはたした土井氏のテイスティング能力(嗅覚・味覚)は元来秀でたものがあり、蔵を継いでから4年後には全国新酒鑑評会で金賞を受賞するまでに成長。別銘柄を立ち上げ主力にするのではなく、あえて「宝剣」という銘柄をふたたび掲げることで「宝剣旨いけん」といわせしめた。「究極の食中酒」をめざした酒は、辛口の設計のなかにも柔らかな口当たりを感じる。1日20トンともいわれる豊富に湧き出る野呂山の伏流水は、120年前に野呂山に降った雨雪が時間をかけて濾過されたもので、「宝剣名水」と名付けられ県内屈指の名水として有名。この名水を仕込み水として酒づくりに利用することで、味わいの裏側に柔らかさが出てくる。 原料米は、製造の約90%を地元・広島の酒造好適米である八反錦を使用している。一般に流通する市販酒の実力を競うコンテスト「SAKE COMPETITTION 2019」純米酒部門で第1位を受賞。逆境を意地と気合いで乗り越えてきたドイテツと「宝剣」の快進撃はこれからも続くのだろう。(関 友美) |
酒蔵 イラスト |
(山本浩司氏撮影+加藤忠一氏描画) |
銘柄 | 宝剣 鬼おどし 芸酒 |
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所在地 | 広島県呉市仁方本町1丁目11−2 |
地図 |
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