「農口尚彦の旅その1・菊姫」
石川・菊姫・鶴乃里・青ラベル・山廃純米限定酒・山田錦(特A産AAA)・精米歩合65%・熟成1年・16度
▼バレンタインに飲んだ農口研の「ただの日本酒」の不思議に心動かされ、伝説の杜氏・農口尚彦氏に敬意を評し その歩みを辿る旅に出ようと思う。なんとまだ現役の農口さん、今年87歳というから新型ウィルスにはマジで気を付けてほしいです (でも杜氏は酵母の力で風邪を引かんという風説もある) ▼旅の1駅目の菊姫は、農口氏が20代後半から36年勤め上げた脂の乗り切った勤め人時代の蔵。それはもはや遠い過去だが、菊姫で育ち、菊姫を育てた農口流の山廃・熟成技術の流れを感じたい ▼鶴乃里は『鶴の里』という名前で美味しんぼ[54]にも出てくる。実は漫画が先で後から存在が追いついたレアパターン。IWC初代チャンピオンサケ。
(次の駅は常きげん)
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▽山廃らしい酸味がどーんと太い。がキレが良いので重さより軽く感じる。とは言え何やらいろんな分泌物が混じった厚いコクがあって、清濁併せ呑んだ不浄さを上品に味わう大人の味
▽鼻の奥に突き抜けるザ日本酒ぽい酸の香りが割とあるのが印象的。IWCでの外人の高評価は、そこらに並ぶ個性を潰した小綺麗な吟醸酒よりも、こちらの香りやボディの個性がハートをRockしたのだろう
▽特A純米をあえて不純物を残した65%精米で抑え、山廃の自然の微生物の淘汰の遷移を経て更に長期熟成により未知の薬効成分ができているかもしれん。健康のためにもう一杯飲んどくかな(笑)
(追記)
3日目 酸の尖った部分が急に穏やかになり、柔らかさが出てきた。円やかになって美味しさUP。変化が分かりやすいお酒で面白い。
5日目 甘くてフルーティで味が濃いのに癖がないハイレベルの豊潤酒になっておる。何かが落ち着いて、完璧なバランスになった。こりゃ、3日以上寝かせることを条件に★3.5→4.0に上方修正したい
※MEMO 石ちゃんのSAKE旅#7 美味しんぼ#54