篠峯とは、大和葛城山の事らしい。
葛城山は5月の初め、山頂付近は真っ赤に染まる。
ツツジが一斉に花開くのだ。
それは圧巻の光景。
私は秋の深まる頃、
一面のススキ野原になる葛城山が好きだ。
少し切なげに風になびき
揺れる穂はとても美しい。
詮を開けると、優しいりんごの香り。
口に含むとピリッと酸の刺激が。
思っていたさっぱりスッキリとは
全く違うパンチある飲み口で驚いた。
少し辛口だけど、旨味が押し寄せてくるので、
かなり甘く感じる。
キレも良くすっと背筋がのびるような
シャキーンな感じなのです(笑)
少し、ぼんやり飲んでいたのだ。
かなりぬるくなったその液体は
え?と思うくらいに丸くやわらかく、
けれど太く力強い旨味と甘味に変わっていた。
初めての味わい。
きっと、これが八反米の旨味なのだろうな。
篠峯のススキのように
ふっくらとした穂が
揺れる姿が目に浮かぶようだ。
篠峯 八反 純米吟醸 中取り 無濾過生原酒