近所の酒屋で見つけて「ふざけたラベルだなぁ」と気になっていた。
名前もふざけている。
「賀茂金秀 猫のツンデレ」。
あの生き物がツンデレなのは知っている。子どもの頃から、基本的には猫を切らせたことがない。残念ながら、この数年だけ不在だけれど。
最後の猫は、抱きあげると体を固くして手をつっぱってイヤイヤする癖に、仕事に集中してるとキーボードの上に寝転んで腹を撫でろとアピールしてくる子だった。
めんどくせーなー。
このお酒、600本のみの限定品。
フタが開きにくくて、まずめんどくさい。
ふー、手が痛い。
やっと開いたのを、大きめのグラスにたっぷり。飲んでびっくりした。グレープフルーツでも絞ってんの!?という酸味。
今までも「米のくせにフルーツ顔」の連中にしばしばビビらされてきた(そして嫌いじゃない)けれど、コレは本当にキューッとすっぱい。
その後に苦味が混じりつつ、時間を置くとごろごろ喉を鳴らして甘えてくる。
確かにツンデレ。
ツンツンしてるその人が「デレ」かどうかは、距離を縮めて付き合わないとわからない。
ぐいぐい間合いを詰められて、うっかりだらしない自分を見せてしまった「はじまりの夜」を思い出す。
くぅーー〜ーっ、甘酸っぱい。
ふざけたラベルと名前のくせに、キュンとさせられて動揺する。炭酸で割ってキューッと飲むのも、夏の一杯目におすすめ。