長野県上田市に位置する若林醸造(1896年創業)が製造する「月吉野」(つきよしの)は、創業当時の美しい風景からインスピレーションを得て名付けられた。吉野桜の下での花見の宴の際、満月に桜の花びらが舞う様子を見て、この名前が生まれた。2021年には、限定流通する清酒のラベルをリニューアルし、新たな姿で登場した。特筆すべきは、2019年に若林醸造が植物性乳酸菌を用いた乳酸菌発酵酒母の開発に成功し、山廃仕込みの伝統的な酒造りを復活させたことである。長野県産の酒米を使用した「月吉野」は、すっきりとして雑味のない味わいを実現し、人々を癒すような酒として評価されている。