「農口尚彦の旅その2・常きげん」
石川・常きげん・山純吟・山廃純米吟醸・山田錦/美山錦・精米歩合55%・金沢酵母・熟成2年・16度
▼伝説の杜氏・農口尚彦氏の軌跡を辿る旅の2駅目、常きげん。菊姫を定年退職した農口氏は、その後の15年、第二の人生の活躍の場を「常きげん」の鹿野酒造に求め復活する。菊姫での30余年の実績に次のステップ常きげんの花が咲き、「現代の名工」「黄綬褒章」「NHK プロフェッショナル・仕事の流儀」など露出が一気に増えてブランド化した時代。菊姫と合わせて全国新酒鑑評会金賞連続12回、通算27回という華々しい受賞歴を誇った ▼ちなみに、硬水の菊姫に対して軟水の常きげんは熟成にも手応えを得るまでに数年を要したそうな。なお、『山純吟』はバイブル「純米酒を極める」の上原先生特選銘柄でもある。
(次の駅は農口)
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▽山廃生酛系のしっかりした複雑な乳酸だが、とても素直で優しい甘酸味で飲みやすい。所謂フルーティ系ではないが、日本酒の飲み難さみたいなのは少ない。もう少し進んで行くとザ日本酒エリアに入るところを塀の手前で堅気の世界に留まっている ▽菊姫に比べると軟水であることと2年熟成がこの柔らかさ、きめ細かさ、滑らかさを生むのだろう。甘さ抑えた風格と優しいけれど複雑な酸味から、同じ軟水の伏見の女酒ほどはお淑やかではない。その骨太さは女酒とまでは行かず、一応紅組扱いだけど微妙なマツコ酒みたいなポジションか(笑)
特定名称
純米吟醸
原料米
山田錦、美山錦
酒の種類
山廃
テイスト
ボディ:軽い+1 甘辛:普通