東海道五十三次の藤枝の宿近くは、温暖な地ながら酒蔵が多く、いずれもレベルが高い。その中の一軒、「喜久醉」は蔵元の青島孝さんが杜氏を務める。静岡吟醸酒を指導し酒造業界を席巻した県技師・河村伝兵衛氏に師事した。平成16年に傳兵衛流吟醸醸造法の免許皆伝を受け杜氏に就任。皆伝の証として杜氏名“傳三 郎”を授かった。平成17年に元志太杜氏の田中政治氏より志太流の伝承を受け、平成21年に志太流免許も皆伝。「藤守流(志太流)酒造法大目録」を授与される。 酒造りは洗浄の徹底と、静岡酵母を使った軟水仕込みが特徴。その酒質は極めてクリアでナチュラル。また、地元の篤農家、松下明弘さんと手がける有機栽培の山田錦「松下米」が高評価。洗練された純米吟醸と純米大吟醸は喜久醉のフラッグシップだ。年々研ぎ澄まされ続ける高い酒質に、ファンが多い。