忙しい時は、金曜日の夜に「ごほうび飲み」を予定に入れる。
今は「まんぼう」だから、仕事が終わってすぐに店に入って、1時間しか飲めない。
ズルい大人である私は、わけわけできる飲み仲間を呼び出し、「アルコールはラストオーダーです」と言われてから何杯もまとめてお酒を入れる。
酔う時間を延長して、味の感想を言いながら飲み比べて、ふらつくほど酔った。
町田酒造、原田、刈穂と飲んで一番はコレだよね、となったのが「まんさくの花 超限定」。
この「超限定」が、そそる。飲まなきゃ損、みたいな。
塩サバの脂にも、アスパラの甘みにも合う。飲んだ瞬間、華やかさとスラリと消えていく上品さと、少し後を引く旨み。
バランス、いいなぁ。
美味しいお酒を飲み比べながら、仕事がんばったねーと言い合う時間。1年前は、一人でノートや本を片手に飲んでいた。もちろん、今も一人でも大丈夫。なんだけど。
仕事の話や悩みをぽつぽつ話しながら、気がつくとガードしてた構えをふわっとほどかれてしまう。
2人飲みの相手を見つけてしまって、深みにハマっていくのを止められない。
飲める種類が倍に増えて、それでもまだ知らない日本酒がたくさんある。
早く飲み尽くして、終わりにしたいのに終われない。夏酒だ、ひやおろしだ、燗酒だと言ってたら、365日、永遠に終われそうにない。マズイなぁ。
別れ際、足元がヤバい私を気遣ってか、さびしいオーラを察してか、反対側の電車に乗ったはずのその人は不意打ちで戻ってきて、私が電車に乗るまで見送ってくれた。
こういうの、困るんだよなぁ。
……キュン死するかと思った。
「まんさく」の花言葉は「魔力、呪文」。吸引力の強いお酒の味と共に、忘れられない夜が増えていく。
早く酔いが醒めますように(呪文を解く呪文)。
特定名称
純米大吟醸
原料米
山田錦
酒の種類
一回火入れ
テイスト
ボディ:普通 甘辛:甘い+1