町田酒造のクチコミ・評価
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しろこさん
5.0
一人で飲むときは、本を読むか、音楽を聴いている。最近は、田辺聖子の本をやたら読んでいる。
男女の仲はほどけやすいが、結び続けるコツはこうやで、と、おせいさん(ファンの間の田辺聖子の愛称)は表現する。
「共にメシくうこと」
「いつもどっか、さわってること」
……うまいこと言うなぁ。
ダメになった過去のもろもろは、どっちかが、または、どっちも足りなかった。
この2つを切らさずにいるには、ちょっとだけ努力も必要なのかもしれない。
飲んでた「ピンクの町田酒造」がおいしかったので、途中でやめて2人飲みのために置いておく。
「町田酒造 直汲み 純米吟醸55 雄町」
自分がおいしい、と思ったお酒は飲み相手も絶対においしい、というのがわかっているから、もう一杯飲みたいところをガマンしてフタして持ってきた私えらい。
ガラスのぐい飲みに注いで、小さな泡がきらきらしてて、一口飲んで「おいしい」「でしょー」と、にこにこする。
ジューシーで甘く、それでいて甘ったるくはない。ぷちぷちと発酵してる感じが涼やかで、2人であっさりビンを空けてしまう。
肴は買ってきてもらった鱧と、アジのなめろうVer.12ぐらいと、長芋とミョウガときゅうりを南高梅をつぶしたタレで和えたものを出す。
食べながら、他にもいくつかの日本酒を並べ、味の違いをあれこれ言いもって、またもぐだぐだに酔ってしまう。
「共にメシくうこと」、無条件に楽しい。
そして、なんとなく、膝だったり手だったりが触れていて「いつもどっか、さわってること」もクリアしている。
くっついてる時に「ぬくい」と言われて、「あったかい」より、幸せな気持ちになった。関西弁、ほんわり感が急に出る。
ピンクの町田酒造、1人でも2人でも。
「ぬくい気持ち」になれるお酒です。
特定名称 純米吟醸
原料米 雄町
酒の種類 無濾過 生酒
テイスト ボディ:軽い+1 甘辛:甘い+1
2021年8月23日
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しろこさん
5.0
母親の初盆なのに、県をまたがった移動ができず帰れない。
去年は検査して2週間経たない県外者はぜってー入れない県のせいで、余命数ヶ月の母親に会えないところをこっそり会いに行った。
食べることが好きだった彼女は、脳を少し侵されたせいで食べ物への執着心が凄くなってて、ぷくぷくと太ってた。
化粧をせずに外には出ず、体のラインを保つのに下着は大事と娘に教え、風呂上がりのパックを60過ぎても欠かさなかった美しい母が壊れたのを、目の当たりにして凹んだ。
きっとお盆で帰ってきてるので、帰省した孫に全力でおいしいものを作ったであろう姿を思い出しながら串揚げを山盛り作る。
卓上フライヤー、おすすめ。
バッター液とパン粉を与えて、後は各自で揚げてもらう。ただ、その準備はめっちゃ面倒で、延々と串を刺し続けてヘトヘトに。
いざ、揚げ始めたらいつもと違うパン粉がしっくり来なくて、「これでいいのに」と言う家族の声を背中に聞きながら財布を引っ掴んでスーパーに。
美味しいものに妥協しない、母ならそうしたと思うから。
パン粉を買い直して、こどもの「おいしい〜」を聴きながら揚げまくる。ちょっと落ち着いたので、うっかり開けた「町田酒造 特別純米 五百万石」が超ヤバい(語彙力)。
ジューシー!ちょっとぷちぷちフレッシュな感じのすいすいイケる系!
酒屋のオッちゃんが「女性は町田酒造好きですよね〜」と言われて、それ偏見やろと思いつつ、私は好きですね。2合するっと飲んでしまった。
一人で酔ってしまい、母親がその辺に漂ってるのを感じながら過ごすお盆休み。
もっとちゃんとお別れしたかった。
コロナのばか。
今日は食べ過ぎて飲み過ぎたけど、明日からまた貴女の教えを守って、キレイでいるように努力します(多分)。
特定名称 特別純米
原料米 五百万石
テイスト ボディ:軽い+1 甘辛:甘い+1
2021年8月14日
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