「天美」は、太陽光発電システムなどを製造する多角経営の長州産業が児玉酒造(明治4年創業)から2018年に経営を譲渡され、新しく立ち上げた銘柄。もともとは事業の一環で、チョウザメの養殖のために良質な水を探していたところ、自社醸造を休止していた児玉酒造と出会ったのが発端になり経営を譲り受けたという。 酒蔵は旧来の建物を活用するのではなく一から建設。醸造機械も最新のものを揃え、限られたスペースで効率よく酒造りができるようなこだわりの製造場を作り上げた。初リリースは2020年。フレッシュなみずみずしい甘みとコンパクトな酸味のバランスが良く、初年度からたちまち人気に。経験豊富な杜氏を迎えたことも功を奏し、経営を譲渡した酒蔵の新銘柄としては、異例の速さで全国の酒販店や日本酒のプロ、日本酒愛好家などに広く浸透していく。 現在、製造免許を持っているものの酒造りを休止している酒蔵は数百社に上るが、「天美」の活躍は酒蔵の事業を継承するための一つの好例として、マスコミや日本酒業界でも注目を集めた。(山内聖子)
天美のクチコミ・評価
天美が購入できる通販
天美の銘柄一覧
銘柄 |
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純米吟醸 にごり生原料米:山田錦、精米歩合:60%、アルコール度:15% |
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純米大吟醸 生原酒原料米:山田錦、精米歩合:40%、アルコール度:15% |
純米大吟醸 播州愛山原料米:播州愛山、精米歩合:50%、アルコール度:15% |
純米大吟醸 赤磐雄町原料米:赤磐雄町、精米歩合:50%、アルコール度:15% |
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純米大吟醸 長州山田錦精米歩合:50%、アルコール度:15% |
天美の酒蔵情報
名称 | 長州酒造 |
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特徴 | 2020年に誕生した「長州酒造」。親会社である「長州産業」は、山口県山陽小野田市に本社をおく太陽光発電システムを主力とする製造業の会社である。 新しい事業に必要となる豊富で良質な水を探していたところ、下関市菊川町の「児玉酒造」にたどり着く。そこは15年前に高齢のため造りをやめ、後継者もいない為廃業を考えている酒蔵であった。「地域の文化である酒蔵が消えるのは惜しい」と、岡本社長は新規事業として児玉酒造の事業承継を決め、そうして「長州酒造」と名を変えた。異業種であるため蔵人探しは難航し、酒蔵にも卸している機械メーカーから紹介されたのが、奈良県と香川県の酒蔵で酒造りを学び、杜氏として活躍していた藤岡氏であった。酒造りとは縁のない会社が参入することはハードルが高いことから最初は断るも、社長の熱意と覚悟を感じた藤岡氏は、杜氏としてイチから設備設計に関わり、酒造りだけではなくブランド作りや営業にも携わることに。できたお酒は商品の説明が可能な専門店のみで販売することとし、その熱意を直接消費者に届けられるようにしている。 |
酒蔵 イラスト |
(山本浩司氏撮影+加藤忠一氏描画) |
銘柄 | 長門菊川 天美 |
HP | 酒蔵ホームページはこちら |
所在地 | 山口県下関市菊川町大字吉賀72 |
地図 |
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