夏の、粉雪。
青いビンの中をふわふわ舞い散る、幻想的なにごり酒。親子3人でやってる小さな蔵のお酒ですよ、と勧められて買った。
開栓注意とあるのに、飲み相手は「この手のフタ(ねじり開け)は大丈夫」という狭い経験則でいきなり開けて、噴き出す泡をテーブルにあふれさせてしまった。
笑いながら拭き取り、文句を言いながら口をつけて強炭酸ばりの発泡に驚く。
カルピスソーダみたい
いや、スコールだよ、絶対
こんな一場面も、少しピリッとする活性にごりの味と共に記憶に刻まれていく。
溶けるほどに暑い夏にも、消えない粉雪のように。
酔いと共に降り積もっていく時間。
重ねるほどに、幸福と不安が交互に押し寄せる。
この日は、暑過ぎて夕方にようやく鳴きはじめた蝉の声を、遠のく意識の中で聴いていた。
そう言えば、酒屋のオジさんが「この酒蔵の冬に出るお酒は絶対予約した方がいい」って教えてくれた。今はまったく、冬になにがどうなってるのか想像できない。
……誰と飲むにせよ、予約はちゃんとしようと思うのです。
特定名称
特別純米
酒の種類
生酒 発泡
テイスト
ボディ:軽い+1 甘辛:普通