いい日本酒に出会えたお店は、大事にしたい。ここで「一白水成」に出会った時は、わっ、と思わず声が出た。閉店の案内を見つけて、慌てて予約した。
閉店して移転するとはあるけれど、次の予定は書かれていない。
十四代や新政を置いてあるので、ベタに人気のお酒も押さえられる。この日は、盾乃川やみむろ杉、紀土など8種類ほど2人で分けながら飲んだ。
その中で、この日一番「わっ」となったのは、「風の森 露葉風 807」。
※ラベルを撮れなかったので、通販サイトの写真を借りました。
風の森3種の飲み比べで「夏の夜空」「秋津穂 六五七」との違いが際立っていた。ぶどうの甘い酸味を米のうま味がかすめていくような。
発泡の強い残りの2つもキラキラしておいしいけれど、ちょっと落ち着いて飲みましょうか、と座り直して飲みたくなる。
「風の森」を初めて飲んだのは何年前か、名前の美しさに惹かれて飲み始めた。基本的に華やかで、初夏の森というイメージのお酒。
でも、「露葉風」はその名の通り、秋の朝に濡れた落ち葉を踏んで歩く、しっとりした印象がする。
最後に美味しいお酒に出会えて、お店が閉まるの残念だなとますます思う。
初夏の森をさまよう代わりに、ビルの森の合間をふらふらと帰っていく。心配して送ってくれる人が、歩くペースを合わせてくれる。
駅まで来て、別れづらいな、と切なくなった。
……時短で飲み足りなかったせいにしておこう。
続きはまた、新しいお店で。
特定名称
純米吟醸
酒の種類
無濾過生原酒
テイスト
ボディ:軽い+1 甘辛:甘い+1