完全に休む、というのが難しい立場になって10年近く。それ以前は時間に余裕があり、仕事の責任範囲が狭かったので、昼から平気で飲めるゆるさがあった。
あんな生活にはしばらく戻れないなと思ってたら、息切れしそうなタイミングでコロナ禍になり、夜の会議や会合が無くなり、休日もぽろっと「何も予定の無い日」ができた。
好きなお酒と肴を用意します。
仕事はしません。
仕事の話(愚痴含む)はしてもいいです。
眠くなったら寝てもいいです。
ひっそりと部屋に篭って、だらだらと酔い続ける休日。
ひどく閉鎖的なのに、欲望の底が抜けたような解放感がある。
この日は「一白水成 愛山」に始まって、「美丈夫」「原田のナツ」……と並べてめろめろに酔って、眠って、たくさん話をした。
一白水成は何種類も飲んだけど、これは華やかさの後に濃厚な旨みがじんわり残って、舌で転がしてたい気分になる。
またもアジのなめろうVer.6ぐらいを作って肴にしたけど、調子に乗ってナッツをごろごろ入れ過ぎたせいで食感が軽くなってしまい、このお酒に合わせるにはちょっと物足りない。
持ってきてもらったメバルの煮付けが、ちょうどよく釣り合って美味しく飲めた。季節のものでいいお酒、安心できる空間と相手。もれなく、おバカな酔っぱらいができあがる。
いつか、また忙しくなった時に「あのお休み、最高にだらしなくてサイコーに幸せだったな」と思い出す、エアポケットな時間。
旅行に行かなくても現実からトリップできるのね、なんて、観光業の人が聞いたら怒りそうな休日だった。
特定名称
純米吟醸
原料米
愛山
酒の種類
生酒
テイスト
ボディ:普通 甘辛:普通