「渾身」純米吟醸 仕込第52号 生原酒。
先ず色鮮やかにフルーツが香ります。白桃とかライチあたりかな…とにかく香りは華やかですね。極細かな泡がグラスに着きますが、発泡感は特になし。でひと口目からもう、わかりやすく豊かな旨味が広がります。甘さを感じる優しい旨味ですが甘過ぎることは決してなく、軽めの酸味と相まってちょうどいいバランス。辛味や苦味が単独で顔を出すこともなく、スーッとゆっくり収斂していきます。「渾身」とか言われて何が来るのかと身構えていましたが、すっっごくフツーに飲みやすいです。驚くほど王道というか、素直な展開^^; 何でしょう、目指したのは渾身の「飲みやすさ」なのかな?
3日目。
今日は酸味から入る感じで。爽やかなライチっぽい酸。それからよく和三盆に例えられる上品な甘味。花冷えから始めてじわじわ温度が上がると共に、旨味のボリュームも膨らんできます。本当に嫌味なく落ち着いていて丁寧。上手。でもどこか冷静なお酒というか、酔人を虜にする何かが足りないと感じてしまいます。「秀作」と呼ぶのが一番しっくり来るような。
4日目。
酸味の質が昨日までの爽やかなものから酸っぱいものに変化して、上品な甘味は裏に隠れてしまったような感じ。相対的に辛味が効いて来ました。旨味の方もふっくらした甘旨味から干物っぽいアミノ酸やイノシン酸のような方向に変わり、しかもひと回り痩せてしまったように思います。最後は何となくクラシックなお酒になりました^^; これはこれで悪くはありませんが、個人的には去年やった生酛の方が「渾身」を感じさせるお酒だったと思います。
特定名称
純米吟醸
原料米
山田錦+白玉
酒の種類
無濾過生原酒