上立ち香はサイダーからシトラスの清涼感を抜き、糖蜜を足したような、いかにも甘さを連想させる果物香。
香りに違わず、口に運ぶと覆い被さるようなとても強い甘味があります。
酸味や苦味が多少あるものの、あまり表に出ず、甘味の引き立て役に徹しています。
甘味のピークが過ぎると、トウモロコシのような穀物香とともに旨味が現れ、やがて緩やかにフェードアウトしていきます。
構成される全ての味や香りがシナジーを起こしながら、「甘味」という一つの方向を目指しているような印象を受けます。
実際、日本酒度は-3とのことですが、その数値から普通に想像する味より大幅に甘く感じます。
温度は、人肌燗が最推し。
このお酒の魅力は芳醇な甘味です。先述の通り味わいもその一方向を向いています。だから冷熱感も含め、「甘味」以外の感覚刺激は極力除く。つまり体温近くまで温めることで、その魅力を最大限に楽しめると思うのです。
温度調整は難しいですが、この領域にピッタリ合わせるとまさに甘露の味わい。至福のひと時を楽しめました。
香りもしっかり楽しみたい方は、花冷え〜涼冷えくらいで召し上がるのがおすすめです。
特定名称
純米吟醸
原料米
雄町
酒の種類
無濾過生原酒
テイスト
ボディ:重い+1 甘辛:甘い+2