羽根屋 純米吟醸 煌火
ポンという音とともに開栓。
含むと舌先にピリピリとわずかにガスを感じます。
マスカットを思わせる爽やかな酸味と甘み、とてもジューシーな味わいです。
お米の旨味が広がったあと、甘い余韻はゆっくりと切れて行きます。
とても美味しい。
大好きな味です。
盛り上がりを見せたオリンピックも終わり、今年もお盆の時期がやってきました。
ただ今年のお盆はちょっと特別、春に他界した母の新盆です。
長崎の兄のもとで、法要が行われる事になっています。
「うちは構わんとやけど、やっぱり東京やろご近所の目もあるけん…」
兄の声は、暗く沈んでいました。
何だか遠くに見えていた火事が、いつの間にか足元に広がっていた、そんな感じです。
若い頃から本を読むのが好きで、外に出かけるより家で静かに過ごす事が多かった母。
父への手土産に持って行った日本酒を、小さなグラスにほんの5勺、美味しそうに飲んでいたっけ。
何だか腹が立ってきた、こっそり行ってお墓参りだけでもしてこようかな。
「いいよ、大丈夫だから」
争いごとが嫌いだった母なら、きっとそう言うだろうな。
特定名称
純米吟醸
酒の種類
生酒 原酒
テイスト
ボディ:普通 甘辛:甘い+1