萩乃露 特別純米 十水仕込 雨垂れ石を穿つ。無色透明。軽やかに、まろやかに、角の取れた水。酒には二つとして同じものがない、と思わされる、普遍的でありそうでなにとも似つかない。飲み込んだ後に喉の奥でふつふつとアルコールが燃えていく。その感覚すらも美しい。柔らかな味わいが舌をつつみ、辛さは後から、飲み込んだ後の余韻は甘い。鼻から抜ける香りが、これは良い酒の味だと。常温で燗みたいな味がする。
十水仕込(とみずしこみ)は、米10に対して水10で仕込む江戸時代に主流であった手法だそう。現在は米10に対して水12が主流。なぜ江戸時代は水10で、今は水12なのか。Googleによれば米の改良が進んで米の白い部分が増えて水12でちょうど良い塩梅なのだとか。現在の米で水10にすると、白米に対する水が少ない分、醪のコントロールが難しいなのだとか。(酒田の良い酒屋、木川屋のHPより)と、言われても素人の私にはよくわからない。ただ、この酒はとても美味い酒であった。
上燗にしてみる。酒の軸はブレていない。しかし、口当たりの柔らかさが減り、甘みが前に出てくるようになる。個人的には常温の方が美味しいと思った。
特定名称
特別純米
テイスト
ボディ:普通 甘辛:甘い+1