黒松剣菱 兵庫県産特Aの山田錦主体 アルコール17度
まず外観に目が行きます。小洒落た、この180mlのミニボトルはグッドデザイン賞受賞しています。そして瓶フタは王冠キャップになっていてボトルの外観を損ねず、外から見てもわかる色味は安定の黄金色。革新的な外見とは反対に変わらない昔ながらの剣菱の味わい。一般的に剣菱は最近の流行りでない味わいに好みが分かれますよね。日本酒を飲み慣れてなかった昔はこの良さがよくわかりませんでしたが、流行りの日本酒を呑み倒し一周りしてみると昔ながらのこの良さもわかってきました。
歴史的に戦後多くの蔵が三増酒を作る中、一級以上の酒造りを貫き通した灘の男酒。蔵元が4回変わりながらも室町時代から続く日本最古級の剣菱の銘柄。高級なウイスキーのようにここの日本酒はブレンダーの技術でヴィンテージの日本酒をブレンドし味に深みを持たせて一定の味を保っている。酒は注いだ瞬間から香りたち、口当たりは流行りのフルーティな甘みとは一線を画し、まるで黒糖の様な豊潤な甘みと濃い米の旨みが広がる。そして後味は計算されたかようなキレのある酸味で締めてくれる。ぬる燗も良いけど、冷やで呑むのがオススメ。流行を追わず変わらない、そして支持され続けている剣菱、それがカッコイイ。呑むたびに新しい旨さの発見がある感じ。大きな蔵だけど職人たちによる昔ながらの酒造りのこだわりが詰まっていると思う。質実剛健、大好きな日本酒。 #note87