穀物をベースに、栗やスイートポテトのような土っぽさを伴った甘い香り。ただ、野暮ったくはなく、まるで安納芋のように奥底に花あるいはマスカットを思わせる華やかな香りが見え隠れします。
ファーストタッチは愛山らしい甘酸っぱさがあり親しみやすいです。しかし中盤から旨味と苦味が加わって急に重くなり、そこから四味がどんどんと増して深みに引き込まれました。ちょうど遠浅の砂浜を沖に向かって進み、突如足のつかない深みに達して沈みゆくような感覚。
おもしろいのは、これだけ重く余韻も長めなのに、それを越えるとサッパリしており、あまり口に残らない点です。
この特徴により、濃厚でありながら飲み疲れずスイスイと進んでしまいます。
アテは、少し味が濃いめのものが良いかも知れません。塩雲丹くらい濃くクセが強いものでも、安心して任せることが出来ました。
能登流の造りに想いを馳せながら楽しめる、濃く滋味深い味わいが素敵でした。
こちらは金沢駅直営店限定のお試し少量ビンでしたが、今度はぜひフルボトルで、もっとじっくり向き合ってみたいと思います。
原料米
愛山
酒の種類
山廃
テイスト
ボディ:重い+2 甘辛:普通