- 日本酒ランキング42位
- 中部地方日本酒ランキング10位
- 長野日本酒ランキング6位
新生・山三酒造の象徴として、社名と同じ「山三」を主力銘柄にすえている。 長野県が開発した最新の酒造好適米「山恵錦」を用いており、透明感のある中にもさまざまな味の要素が潜む、この米のポテンシャリティの高さが表現された「山三・山霞」。若い梨のような香気が立ち上がり、炭酸ガスからくるかすかな苦味があるが、軽い甘味がベースを支えきれいな後口に引き継がれていく。無濾過生原酒というと、濃密で強い香味のイメージを連想させるものだが、ガスの感触からくるフレッシュな感触はあるものの、むしろ細くデリケートなバランスの上で成り立っている酒であることがわかる。うすにごりの見た目の淡い印象も「山霞」の名が表す通り、香味のかそけきイメージにつながっている。 長野県が生み出した酒造好適米の中では、比較的にたっぷりとした味の載りを感じさせるのが「ひとごこち」である。この米の特性である旨味の要素を上手に引き出し、丸みのあるやわらかな酒質に仕上がっている「山三・初雪」。香りはイチゴのような可憐さがあり、口中に湧き立つようにふくらみながら味わいをリードしていく。かつて「アルプス酵母」というと、華やかな香りを生み出す代名詞のようにいわれた時期があったが、強すぎることなくほどよいトーンで穏やかに広がるところに品格の良さが感じられる。口中に感じるフレッシュな炭酸ガスが味にアクセントをつけているが、苦味や酸味は少なく後口のまろやかな味わいにより、急峻な山なみというよりもなだらかな山の稜線を思わせる穏やかな印象を与える。(松崎晴雄)
山三のクチコミ・評価
山三の銘柄一覧
銘柄 |
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山霞精米歩合:50%、日本酒度:非公開、酸度:非公開、アルコール度:15% |
初雪原料米:ひとごこち、精米歩合:60%、日本酒度:非公開、酸度:非公開、アルコール度:15% |
紫翠原料米:山田錦、精米歩合:39%、日本酒度:非公開、酸度:非公開、アルコール度:14% |
山三の酒蔵情報
名称 | 山三酒造 |
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特徴 | 久しく製造を止めていた酒蔵が、再び造り出すケースがふえている。これらは一様に「復活蔵」といわれているが、旧来の場所や設備であっても、新たな経営のもとでコンセプトを一新して再スタートを切る例も少なくない。 まったく新しい酒蔵として生まれ変わることから、復活というよりも再生がふさわしく「リボーン蔵」と呼ばれることもある。約10年の休造期間を経て、2023年から酒造りを再開した山三酒造も、いま一番新しい注目のリボーン蔵である。 佐久出身の荻原慎司社長が事業を継承し、京都の酒蔵で頭を勤めていた栗原由貴氏を杜氏に抜擢。蔵から近い東御市八重原産の酒米のみを用いて、時代に合った酒造りを標榜する。製品は現在3種のみをリリースしているが、いずれも無濾過生原酒によるフレッシュな酒質を生み出している。 ガス感を伴った現代的なスタイルだが、軟水の仕込み水の特性を反映しタッチのやわらかな軽妙な仕上がりとなっている。ほどよい香りも味の繊細さとともに心地良い感触を引き出し、蔵元、杜氏の双方がめざす食中酒としての方向性が一致していることが感じられる。(松崎晴雄) |
酒蔵 イラスト |
(加藤忠一氏描画) |
銘柄 | 真田六文銭 幸村のふる里 山三 |
HP | 酒蔵ホームページはこちら |
所在地 | 長野県上田市御嶽堂687−1 |
地図 |
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