「山田錦」の母方にあたる「短稈渡船」。その原種としてかつて日本全国で栽培され、カリフォルニア米のルーツにもなったといわれる品種「渡船」の復活に取り組んだのが、1990(平成2)年。折しも同じく復活米で酒造りを題材にした、劇画「夏子の酒」が人気を呼んでいた頃でした。 蔵元はかつて‟関東の灘”とうたわれた酒どころ・石岡市にあり、古くから国府がおかれた場所であったことに因んで、社名と同じ「府中誉」を主力銘柄としてきましたが、特定名称酒には「太平海」のブランドもあります。「渡船」の栽培は蔵にも近い筑波山麓・八郷町で契約栽培を行なっています。 製品の酒銘は品種名とは異なる「渡舟」。復活当初は大吟醸、純米大吟醸のみでスタートしましたが、その後普及版として純米吟醸をリリースし、米の作付がふえるにしたがってこちらが広く出回っています。各種の復活米の酒造りが盛んになる中、「渡船」の草分けとして全国に知られるだけでなく、アメリカにも販路があり人気を呼んでいます。(松崎晴雄)
渡舟のクチコミ・評価
渡舟が購入できる通販
渡舟の銘柄一覧
銘柄 |
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渡舟 純米大吟醸 |
渡舟 大吟醸 |
渡舟 ふなしぼり 無濾過原酒 |
渡舟 ふなしぼり 純米吟醸 |
渡舟 五十五 純米吟醸 |
渡舟 しぼりたて生吟 |
渡舟の酒蔵情報
名称 | 府中誉 |
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特徴 | 茨城県石岡市は、長らく常陸府中や常府などと呼ばれた茨城県名発祥の地である。関東の霊峰・筑波山から湧き出る「府中六井」と呼ばれる湧水に恵まれ、1854(安政元)年に山内権右衛門がこれを仕込み水として清酒醸造を開始し、府中誉(ふちゅうほまれ)と命名した。現在は7代目の山内孝明氏が蔵を率いている。地域に根ざした酒造りを目指し、当時茨城県内で造られていなかった県産の酒米による酒造りを追求した。特に幻の酒米「渡船」に注目し、かつて県内で栽培されていた渡船は病害に弱く一時途絶えたが、山内氏は品種を保存していた農水省農業生物資源研究所から種もみを譲り受け地元農家とともに研究を重ね、復活に成功させた。この米を用いた「府中誉大吟醸渡船」は、1996(平成8)年に全国新酒鑑評会で金賞を受賞し、2017(平成29)年には関東信越国税局酒類鑑評会で最優秀賞を獲得。また、世界的なワイン品評会IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では2年連続で金メダルを受賞するなど、その品質は国際的にも高い評価を得て、代表銘柄として現在に至る。府中誉の酒造りの姿勢を象徴する言葉が「造り半分、詰め半分」である。山内氏はワイン造りに学び、醸造だけでなく絞った後の瓶詰めまで細心の注意を払う独自の手法を取り入れた濃厚でジューシーな味わいはファンも多い。 |
酒蔵 イラスト |
(加藤忠一氏描画) |
銘柄 | 渡舟 太平海 府中誉 |
HP | 酒蔵ホームページはこちら |
所在地 | 茨城県石岡市国府5丁目9番32号 |
地図 |
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